
個人事業主として会社をやっている友人などから『インボイス制度が始まって確定申告が大変』って話をされた事があり、私自身は会社員でインボイス制度とは直接関りが無く理解できていなったのですが、今後の為にも知っておいた方が良いと思い、初心者の人たちでもわかる様に、私が理解した内容をご紹介します。
インボイス制度で税増収?
国税庁によりますと、制度開始以降、初めての確定申告が行われたR6年、個人事業主からの消費税の申告件数は197万2000件とR5年の105万5000件から2倍近くに増加し、申告納税額はおよそ6850億円と573億円増加しました。
インボイス制度に登録して新たに納税義務を負い、確定申告した人が87万人余りいて、申告の数や納税額を押し上げたとみられます。【令和6年5月31日のNHKニュースより】
消費税のインボイスって、そもそも何?
インボイスは法律上の用語としては【 適確請求書 】と呼ばれます。
事業所間で取引する時に従来の請求書や領収書に『登録番号』や事業者の氏名や名称、税率ごとに区分した税額などを記載したものです。
原則、仕入れ先の業者(売り手)が買い手に対して発行します。
食品など一部の品目で税率を8%に据え置く「軽減税率」が始まったことをきっかけに導入に向けた検討が進み、2023年10月からスタートしました。
このインボイスと使うには税務署に登録する必要があります。
年間の売り上げが1000万円以下の事業者は納税が免除されているのですが、インボイスを発行する為に税務署に登録すると、こうした事業者も「課税事業者」として、消費税を納税しなければいけません。
※インボイスの発行で事務的な手間が増える上、納税もしなければならず「事実上の増税だ」と言った反発の声が根強くあります。
どうしてインボイスを使わなければいけないの?
政府は「 消費税の納税額を正確に把握するためだ 」と説明しています。
事業者が消費税を納税するする際には、売り上げにかかる税額から、仕入れの際などにかかった税額を差し引いて納税します。「 仕入れ税額控除 」という仕組みです。

例えば事業者が税率10%の商品やサービスを販売して売り上げが300万円となった場合、
そこにかかる税額は30万円になります。でも、事業者はこれまでの仕入れや経費などで10万円消費税を支払っていた場合、その分を差し引いて(控除され)納税額は20万円となります。
こうした税額を正確に計算する為に原則、仕入れ先から受け取ったインボイスが必要になります。
人手が少ない小規模事業者には負担は大きいのでは?
そうなんです!
国はインボイスの発行の為の登録をするかどうかはそれぞれの事業者の判断としています。
とは言え、今後は売り上げ1000万以下の事業者も取引先からインボイスを発行するよう求められることが想定されます。
もし、「発行でできません」と言う事になると、取引先が税の控除や還付を受けられませんから、それを理由に取引が打ち切られる事も危惧されるのです。
※財務省によりますと、「 B to B 」事業者間で取引を行っている160万の小規模事業者のうち課税事業者への登録を申請したのは、令和6年7月時点で57%にあたる92万事業者だと言う事です。
何か負担軽減はできないの?
政府は新たに登録した小規模事業者の負担軽減策を導入しています。
政府の負担軽減策は、売り上げ1000万円以下の事業者が「課税事業者」になった場合、仕入れでいくらの消費税を支払ったかは関係なく、一律で売り上げにかかる消費税の2割を払えば良いという仕組みです。
つまり、税率10%の商品を販売し売り上げが700万円となった事業者の場合、
納税額は売り上げにかかる消費税70万円(700万円の10%)の2割=14万円となります。
※政府はこれによって税額を計算する手間も大幅に省ける上、多くの場合、納税額も抑えられると見込んでいます。
この措置は制度開始以降、3年間実施します。
この他、売り上げが1億円以下の事業者を対象に仕入れ額が1万円未満の取引であれば、インボイスが無くても控除が受けられる措置も6年間実施します。
取引先に対する猶予措置
課税事業者として登録をしていない小規模事業者からの仕入れでも、インボイス同様の情報が書かれた請求書や領収書があれば、一定の割合を納税額から控除=差し引くことを出来る措置を実施します。
3年間は仕入れにかかった税額の80%、その先3年間は50%を納税額から差し引くことが出来ます。
まとめ
インボイスを導入した事により税収が増えている報道から、ひとまずインボイスの制度導入は成功と言えるでしょう。
制度定着の為には、負担軽減策を含めて制度の理解や周知がどこまでひろがるかが鍵となりそうです。
※フリーランスで個人として起業してやっている人にとっては痛手しかないと思うので、いかに税金の事を勉強して、税金対策をしていくかの戦いになりそうですね!
コメント