
令和6年夏頃からスーパーにお米が売っていない、品薄が続いて買えない、あるとしても高いと言った状況が続いており、「令和の米騒動」とも言われるほどになっております。
この原因は何故なのか?
米を作っている立場としても知っておきたいと思い、米の高騰の原因の2点をご紹介したいと思います。
原因 ① 大雨と高温による供給不足
原因の1つは、2023年に起きた大雨や高温被害によるお米の不作です。
2023年は全国各地で総雨量1000mmを超える大雨が発生、台風や線状降水帯による大雨でお米など農作物に甚大な被害をもたらしました。また、気象庁は2023年の天候について、年平均及び日本近海の海面水温はいずれも統計開始以降最も高い値と発表。特に北・東日本では春~秋の3季連続で季節平均気温が1位の高温となりました。
平年と比較したその年のお米などの農作物の収穫量を示す「作況指数(平年を100とする)」を見てみると、2023年は全国的には101と上回っているものの、米どころの新潟県(95)や秋田県(97)などが平年を下回っています。
このことから、米どころを中心にお米の不作が発生。その結果供給量が減ってしまったと考えられます。
原因 ② インバウンドによる米需要の増加
原因の2つ目に考えられるのがインバウンド(訪日外国人観光客)による米需要の増加です。
日本政府観光局(JNTO)の発表によると2024年6月の訪日外国人数は310万人(2019年比+89%)で、単月としては過去最高の人数を記録。
新型コロナウイルスによる行動自粛が解け、世界的に旅行機運が高まっている中、世界15の国・地域に住む7,460人を対象に行った電通の調査レポートでは再訪したい国・地域で日本が1位となったことが解り、中でも多彩なグルメ、和食レストランに関心度が高いという結果が示されました。
また、観光庁による訪日外国人消費額(2024年4月~6月)の発表では、全体的な消費量の増加、飲食費に関しては2019年比170%となっております。
このことから、インバウンドによる和食消費が増加し、お米需要が高まったと考えられます。
お米の品薄・値段高はいつまで続く?
早ければ新米が出回り始める9月以降からが予想されます。
ある程度スーパーなどで新米が出回る様になれば急激な買い占めなどによる需要過多の状況も緩和されるため、徐々に品薄・値段高が落ち着いてくる事が予想されます。
でも、毎年夏の猛暑が続いている為、今年も米不足にならないか心配ですよね!
米不足対策(あくまでも個人的な案)
① 防災訓練を兼ねて備蓄食消費
毎年9月は防災月間。これを機会に家庭内の備蓄食を見直すのはどうでしょうか?
家の中には案外、消費していないレトルト食品や缶詰、冷凍食品ってありませんか?この際、パントリーや冷凍庫の食料を綺麗に消費して、改めて災害時用の備蓄食を用意するのはいかがでしょうか?
② この機会にダイエット開始!
米不足はダイエットを始めるのに絶好の機会。お米を控えて1食だけでもオートミールやシリアルなどに替えるだけでも体に嬉しい変化が現れるかもしれませんよ。
まとめ
米の値段高騰の原因で予想される
① 大雨と高温による供給不足
② インバウンドによる米需要の増加
の以上2点が予想されておりますが、
①の大雨と高温に関しては自然現象によるものなので対策が限界がありますが、最近暑さにつよい品種改良が行われており、新しい品種が開発されているので希望があると思います。
それに対して②のインバウンドによる米需要の増加に関しては、近年外国人旅行客の来日による経済効果が影響している事ですので、嬉しい反面、予想していない米不足と言う形で影響を受けているので非常に難しい問題となると思います。
それらを踏まえて、米農家の私が個人的な意見を言わしてもらうと、長らく国の政策で【減反政策】を続けてきたシワ寄せが来ているものと考えられます。
減反政策により米を多く作る事が出来ず、その結果
・米の収入が無い事により設備投資が出来ず廃業
・米の収入が無い事で後継ぎも米農家をやりたがらず廃業
・肥料や水代などの経費の高騰により、赤字により廃業
などなど廃業する理由を言い出したらキリがありません。
正直私の周りの米農家も廃業する人が増えてきております。米を作る場所が沢山あるのにも関わらず廃業により国民の主食が食べられなくなる時代が直ぐそこまで来ています。
今後も美味しく値段を抑えて購入していきたいとお考えの人に私からの提案として、
米農家の人と知り合いになり、直接購入する事をお勧めします。美味しい米が食べられるだけじゃなく、値段も抑えられる事になりますので、是非飛び込みでもいいので米農家の人と知り合いになってみて下さい。
ちなみに私はいつでもお待ちしてますよ(笑)
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